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2013年5月22日水曜日

ガラスの厚みは大丈夫?

建物の外壁にはガラスが多く使われ、ガラスの厚みは概ね耐風圧の強度から算出されます。
しかし、出入り口など、風圧以外に人的な衝撃などが加わりやすい部位には、
その衝撃に耐えうる強度の厚みにしなければならない
という安全上問題があります。
このような現状を踏まえ、(財)日本災害防災協会から、ガラスの安全性を考慮して
「ガラスを用いた開口部の安全指針」
がまとめられています。

抜粋・要約すると、
「特に近年、ガラス開口部が大型化してきており、人体の衝突等によるガラスの
破壊が重大な傷害に結びつく可能性が増大しいる。特に不特定多数の人間が利用する公共性
の高い建築物の人体衝突の発生しやすい部位に設けられるガラスの開口部については、所要
の安全対策を講じることが必要である。」

なるほど、設計基準となるものがあるわけですね。

この指針に基づき適正なガラス厚を算出してみると、逆に厚みが過剰な場合もあります。
建具メーカーが出しているスリムタイプのステンレス製自動ドアなどは、ガラス厚さを
許容される範囲で制限することでスリム化されており、過剰な厚みのガラスを入れることが
できない場合も有ります。この場合は、ワンランク上のタイプや個別オーダー品になってしまい
製作コストも上がってしまいます。
まずは適正なガラスの厚みを知ることで、安全であり、なおかつコストの削減を図る
提案が可能になります。

では、「ガラスを用いた開口部の安全指針」の流れを見てみましょう。

この指針は、各ガラスメーカーの総合カタログやHPにも掲載されています。
 参考 旭硝子総合カタログ 
    https://www.asahiglassplaza.net/catalogue/sougo_gi2012/0032c.pdf
(以下、旭硝子総合カタログより引用)

●安全設計の流れ

 なるほど、人体の衝撃を45kgのショットバックに置き換えて計算をしています。
建物の用途と衝撃を受ける部位は、 
 

設計衝突力は、衝突の類型、年齢から算定します。

衝撃計算は、ガラス種別ごとの定数を当てはめ、安全なガラスの選定が行えます。
カタログには、早見表も掲載されており、難かしい計算をしなくても安全なガラスの選定、
厚みの算出ができます。下記はフロートガラスの場合の早見表です。



この結果を基に、部位に応じたガラス強度を知り、設計意図を確認して適正なガラスを
設置しましょう。
                                                   TF


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